NISAの拡充何のため 資本逃避を促すだけかも


【今週のマーケットエッセンシャル】第30号(2022年8月24日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

今週に入って息切れしたが、前週末まで連日のように最高値を更新していた株価指数がある。米S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズが公表している円ベースのS&P500だ。8月19日までの上昇率は年初来で5・6%、新型コロナウイルスが広がる前の2019年末からだと65・1%にも達する。各種報道の通り、金融庁が少額投資優遇税制「つみたてNISA」を拡充すれば、若年層のおカネがますます海外株に流れるのは必至だ。日本は何をしたいのだろうか。

つみたてNISAの口座開設数では国内首位の楽天証券をはじめ、主な金融機関でどんな投資信託が積み立て対象として人気があるのかを調べてみた。売れ筋の上位にはどこも米国の代表的株価指数S&P500に連動するインデックス投信が顔を出し、ほかにも全世界の株式を組み入れる投信、先進国の株式を組み入れる投信と、投信の種類別分類でいえば「外国株型」がずらりと並んだ。