本当に貧乏になった日本 金融庁が汗かくべきこと

【今週のマーケットエッセンシャル】第31号(2022年8月31日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

2022年ももう3分の2が過ぎた。インフレ懸念が証券市場に覆いかぶさり、にっちもさっちもいかない8カ月だったといってもいいだろう。それにしても日本は貧乏になった。国内でもおカネの価値の低下を実感している人は多いだろうが、海外旅行でもすると、お札がどんどん飛んでいく気分になりそうだ。金融庁も恩恵がごく一部の国民にしか及ばない「つみたてNISA」のPRなどにかまけていないで、国民にきちんとヘッジ手段を提供すべきではないか。

新聞社に勤務していたころと異なり、時間的な自由度は増したので、久々に米国にでも旅行しようかと考えた。ところが、繁忙期でもないのに、格安航空券と安めのビジネスホテルの組み合わせでも、1週間もいると交通費と宿泊費だけで50万円ほどかかりそうだ。数年前のイメージの2~3倍。航空券も燃油サーチャージもホテル代も何もかも高くなり、海外から拒絶されているような気分になった。

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