日銀再び含み損に転落 高校生も心配するかも


【今週のマーケットエッセンシャル】第33号(2022年9月14日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

岸田文雄首相の一日を淡々と記述した新聞の動静欄を読むと、9月9日午前11時37分に黒田東彦日銀総裁と面会したと書いてある。「急激な円安進行をめぐって協議した」と報じられたが、この日、日銀の保有国債は再び含み損に転じていた。筆者の試算では8月20日に3兆円ほどの含み益があったが、9月9日までにすべてを失い、約5000億円の含み損を抱えた。市場の力に抗し切れていない印象だ。

日銀は10日ごとに「営業毎旬」と呼ぶ詳細なバランスシートを公表している。ただし、530兆円を超える長期国債の保有額の記載は時価ではなく、取得価格ベース。2022年9月9日現在では538兆1415億円だ。国債の銘柄別保有残高も公表している。保有している313銘柄の数字を全部足すと、9月9日現在で526兆9900億円になる。