債券急落、株にも重圧 日銀含み損2兆円は序の口

【今週のマーケットエッセンシャル】第35号(2022年9月28日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

世界の国債相場が下げ止まらない。為替ヘッジ付きの外債投資をしていた国内投資家の場合、ベンチマークとなる債券指数は年初来で15・8%も下落。9月だけでも4・3%値下がりした。「クラッシュ(暴落)」と報じている海外メディアも多く、日本国債や世界の株式相場の押し下げ要因にもなっている。日銀の保有国債の含み損は9月27日に約2兆7000億円に達したもようだが、損失はまだ序の口の可能性もある。容易ならざる事態が近づいている。

証券会社が個人顧客に海外証券投資を薦める場合には、頻繁に売買してもらいたい思惑もあって、為替ヘッジを付けないタイプを前面に出すケースが多い。銀行などの機関投資家は国内債を若干上回る利回りを安定的に確保したいとの願いから、為替ヘッジ付きで外債投資をすることがままある。このヘッジ外債の金利上昇、つまり価格の下落が2021年夏以降、機関投資家にとって頭痛のタネになっている。

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