ESG投信の運用悪化 テーマ型の落とし穴か

【今週のマーケットエッセンシャル】第43号(2022年11月23日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

ESG(環境・社会・企業統治)経営にいそしむ企業の株価上昇に賭けるESG投資が運用成績の悪化に苦しんでいる。その端的な表れが定義の混乱。「石油株を買うのもESG投資」「非ESG銘柄を買ってESG経営への転換を促すのもESG投資」などと、もうわけがわからなくなっている。どうやら時流に乗った銘柄を旬なときに買って早々に手じまいする「テーマ株投資」と大差ないことが認識され始めたようだ。

あらかじめお断りしておくが、本稿はESG投資の落とし穴について書くことが目的であって、ESG経営を悪いというつもりはない。特に温室効果ガスの排出削減に取り組むのは、地球温暖化に伴う自然災害の急増を防ぐための全世界的な課題であり、筆者も株価が上がるかどうかなどに関係なく、企業経営の最優先事の一つであると認識している。


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